RESEARCHPROJECT
理工学部ならではの基礎学問的な研究分野において、少数精鋭の研究者が没頭して研究できる環境を提供します。
【第3回】- 2020年4月1日現在 -
■空間反転対称性の破れた固体素子におけるスピン流量子物性
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電荷と電流に基づく現代のエレクトロニクスでは実現困難なデバイス機能創出の指導原理としてスピントロニクスがあります。スピントロニクスは、電子のスピン自由度を中心とした凝縮系物理・材料科学・デバイス工学の複合領域であり、スピンの流れ「スピン流」の自在な制御と、電荷・光・熱などの他自由度とスピン流との相互作用によって発現する新たな量子現象により、次世代省エネルギーデバイスの物理基盤となります。
本研究は、固体素子における空間反転対称性の破れに注目し、スピン流量子物性の体系的理解と新原理のデバイス機能創出を目指します。
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KiPAS主任研究員
安藤 和也
(物理情報工学科 准教授)
スピントロニクス/スピン量子物性
物質中の量子相対論的効果を用いることでスピン量子物性を切り拓く。ナノ領域における電子物性にはスピン自由度が顕著に表れ、電子のスピン・電荷が素励起と共に織り成す多彩な物理現象が発現する。電子・光のスピンを自在に制御することによりこの学理を開拓し、次世代電子技術の物理原理を創出する。
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KiPAS研究員
高 藤華
(助教/有期)
凝縮系物理学/スピントロニクス/デバイス工学
電流によるスピン自由度の制御は次世代電子デバイスへのルートを拓く。反転対称性の破れに注目し、固体中のスピン軌道相互作用の物理探求とトポロジカル絶縁体、2次元強磁性体や強相関物質などを用いたスピンデバイスの設計により、純スピン流による超高速・超低電力磁化制御スピンデバイスを実現する。